このコーナーは少し読みものが多いですが・・・がんばって読んでくださいね。
この章では、スポーツと栄養がいかに深い関わりがあるか、基礎的な理論と具体的なメニューなどをなるべく例を使って簡単に説明していきます。
どうしてスポーツと栄養が深い関わりがあるのか?どうして食生活が大切なのか?どのように改善または工夫したらよいのか?などがこの「はじめに」を読んだ後に分かって頂ければ幸いです。
より早く!より高く!走って〜飛んで〜技を競う・・・アスリートはスポーツの特徴やトレーニングの目標などの条件に栄養のバランス、食生活を合わせる必要があります。
例えば、バスケット選手のMさんは毎日、1時間の朝練習と3時間の午後練習、その後には自己練習をします。途中でスタミナが切れないように炭水化物(エネルギー)中心の食事をします。でもシーズンオフの筋力トレーニング時期には炭水化物は平均に戻し、筋肉や血を作るたんぱく質を多く取るようにしています。たくさんエネルギーを使うのでたくさん食べたいところですが、一気に食べきれないことが多いので食事を小さく回数を増やして食べることもあります。おやつや夜食に果物を食べたり、サプリメントを利用することもあります。これで、長いシーズンもしっかり乗り切っています。
18歳でサッカーをしているT君はトレーニング雑誌でみたプロテインサプリメントを取りはじめました。宣伝のプロサッカー選手のように
なりたくて〜筋肉モリモリ・スタミナがありそうと思ったからです。でも、彼の食生活は
炭酸飲料やスナック菓子が多く、好き嫌いが多く偏りぎみ。嫌いな野菜も食べず。学校帰りのファーストフードや菓子パンなどを食べていて
カロリーは取れても栄養のバランスが取れてない。おまけに
帰宅も遅く、勉強もあるので睡眠不足ぎみで不規則。誰かから聞いた練習前のプロテイン。取り始めても、練習では動きが鈍くなってしまったようです。筋肉モリモリどころか、少し太ってしまったかも? ファーストフードや菓子パン生活ではエネルギー量は多くてもビタミンやミネラルが不足し、せっかくのエネルギーもうまく燃えてくれません。プロテインからの栄養素もむやみに沢山とりすぎ
たり、飲むタイミングをはずしてしまい栄養素が体の中で上手く使われずじまい。体の中で体脂肪に変わって体が重くなってしまったのです。
このように、食生活習慣、エネルギーや栄養素のバランスがパフォーマンスに直接影響があることがお分かりかと思います。
競技スポーツだけでなく健康のために運動をしている方もたくさんいらっしゃいます。運動量が比較的競技スポーツをしている人より少なくても、運動をしている人は栄養に対する配慮が大切です。
例えば、55歳を迎えたA子さんは健康のために、毎朝旦那様とウォーキングを始めました。それから1ヶ月ほど経って、
スネがズキズキ痛むようになりました。ぶつけた記憶もないし、あるウォーキングの記事に書いてあったように準備運動もストレッチもしっかりしてるのに・・・なんだろう?病院で見てもらった結果、
脛骨の疲労骨折であることがわかりました。
「コツそしょう症」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、更年期を迎えた女性はホルモンの関係で急激に骨内のカルシウムが激減します。運動をすることにより発汗、筋肉の動きで普段よりカルシウムが使われます。更年期と重なったこともあり、Aさんのカルシウム不足が急激に進行し
、こういう結果になってしまったのです。
このように年齢、性別、特別なコンディションや環境で運動をする
なか、
どの程度の運動量であれ、栄養に対する配慮が必要になってきます。
よい栄養、よいバランスと一言でいわれても実際どのようにしたらいいかわからない。どの食べ物にどんな栄養素が入ってて、いったい
なにをどれだけいつ食べればいいのかわからない。炭水化物って何?たんぱく質っていったい何?そんな疑問がちらほら頭の中をよぎっていることかと思います。
ポパイのほうれん草のように一つだけの食べ物や飲み物を取れば強くなれる!といったような「魔法の食品」はありませんが、色々な食品を上手に
タイミングよく食べることによって〜よりよいパフォーマンス、より健康な生活が送れるということは可能です。
それでは、少しずつ疑問を紐解いていきましょう!
まずは栄養素について基礎から見ていきましょう