体の動きから起こりえる怪我を予測
現在、体に痛みがなくても、怪我が起こる可能性はあります。
ある一定の体の動きや動作の癖が原因となり、運動中にある一定の怪我が起きるということが研究の結果わかっています。
例えば、最近 膝の前十字靭帯
【ぜんじゅうじ じんたい:膝の中にある靭帯(すじ)大腿骨とすねの骨を固定している)断裂の怪我がノンコンタクト時【
ほかの選手とのぶつかりや絡み合いのないとき 急にストップしたり方向変換をした際、ジャンプの着地時など】に起こるケースが全体の75%を占めているのですが、選手たちの動作、パフォーマンスの癖〜例えば、繰り返しのジャンプテストで着地時に膝が内側に入る、着地音がうるさい等々のサインがある選手にノンコンタクトのACL断裂の怪我が起こりやすいということがわかっています。
一般の方でも長年の生活習慣による筋肉のアンバランス差が原因となり、体に痛みがでたり怪我につながることがあります。歳をとったときに起こる40肩、50肩、ぎっくり腰、膝の変形がよくある例です。また、若い人でも猫背、でっちり、偏平足、X脚、O脚、外反母趾、がに股などの体の形、姿勢、動き、さらに仕事などで座った姿勢での生活が続くなどの生活習慣が思わぬ怪我につながっていることがあります。
このような、動作や癖はファンクショナルムーブメント検査で見つけることができ、コレクティブエクササイズである程度修正していくことが可能です。
ファンクショナルムーブメント検査とはオーバーヘッドスクワット運動などをはじめ、いくつかの体の動きで、動きの異常、バランス感覚、
関節の可動範囲、癖などを見つけることができます。たとえ、鍛えている筋肉もりもりのアスリートでも、ファンクショナルムーブメント検査をすると異常が見つかることが多々あります。この検査では筋力の強さを計るのではなく、いくつかの関節がタイミングよく連動しているか、柔軟性、バランス感覚、関節の固定力などを体全体の動きをみることで発見していきます。
コレクティブエクササイズはこのような
日ごろの生活習慣を運動療法で少しでも正常な動きに戻していく方法です。運動療法といっても重いものを持ち上げたり、ひたすら走ったりなどと、ダイエット運動や筋肉を大きくしたりの強度ではなく、もう少し、レベルを掘り下げたステージ
〜体の土台をつくるステージと位置づけるとわかりやすいと思います。
また、ファンクショナルエクササイズは体全体の動きをつかってするエクササイズで、コレクティブエクササイズよりはレベル強度が高い運動です。(コレクティブエクササイズで土台をしっかり作ってからするようにしましょう)従来のマシンエクササイズやウエイトトレーニングより、更に競技パフォーマンス、本来の複雑な動きに近い動きでトレーニングすることができます。基本的には、重力と体を使っただけでもできますが、スイスボール、綱引きロープ、BOSUボール、チューブ、TRX、サンドバック、メディシンボールなどをつかってトレーニングします。